二ページ目のね、坂田がすごないですか!あの顔すごないですか!
あれで完全にやられました。もこさんの描きはるキャラクターはいつでもどこかカラッ
としてるイメージがあったんですが、そこに朝の、しかも雪の朝のけだるさが入るだけ
でなんてことになるんやと!
最後の絶対棒読みであろう「あーん」「あーん」もツボで、予想外の角度からいきなり
ツボに入れてくんのほんまに反則やと思いました。
今回の中で一番やられた感あったんがこれでしたね。風ちゃんの話は湿度が高くて、呼
吸がし辛いくらいのやつがたまにあるんですよ。反対に空気が張りつめすぎてやっぱり
息ができないようなのもあるんですけど、まさかのダブルパンチでした。
風ちゃんの書くキャラクターはあんまり快適な場所にいなくて、息するだけでも大変な
場所(空気)でのやりとりなんで緊張感がすごいです。今回はそれが一入でした。もっ
と楽に生きたらええのにと、つい言いたくなりますが、風ちゃんの書く子たちは誰もそ
んなこと望んでないのかもしれない。
なにより「日常萌え」だと言うめっちゃん。上手く言えないけれど、なんでもないこと
を日記をつけるみたいに残して、確かにあった大切なものを思っていける。そんなこと
を考えました。
ちなみに「日常萌え」がお好きならめっちゃんのサイトにある「動物園に行く(黄灰)」
という話がすごいのでおすすめです。あったかいんですけど、その中にある追い出しき
れない痛さとか苦さとか。日常も、侮れません。
ぱんちゃんが丁度スランプ(?)というか、調子のよくない時期に入っていたせいか、
作品を送ってくれるときに謝られてしまったのですが、いや、ぱんちゃん、全然大丈夫
にぱんちゃんだよ!と言いたかった冬の終わり。
ほんまにね、この人は日常的に何を見ているのかと、ドキドキします。めっちんに倣っ
て引用させてもらうと
「カーテンがひらいたままのベランダにうす黄色い部屋の坂田がとうめいにとけて映っ
ている、そういうものはかなしい。」
とか、見ているというか視ているレベルで何かを見透かしているので、次にどんな言葉
がやってくるのか、目え思いっきり開いて待ち構えてしまいます。
今回のダークホースでした。やまみちゃんと深夜という組み合わせで何がうまれるのか
見てみたくってね、やまみ×深夜を押してよかったです。編集の都合上省いてしまった
んですがページにもそれぞれタイトルがついていて1P目:立体→2P目:理論→3P目:展開
というのがとてもやまみちゃんだと思った。
病院、煙突、葬儀、など薄暗い言葉が多いのですが、そこを動く人たちがとてもしっか
り立っています。なんとなくやまみちゃんの書くキャラクターは「答えを既に知ってい
る」感じがあります。問題の答え合わせを一緒にしていくような感覚というのか。筋の
通った深夜で気持ちよかったです。あと、高杉少年がすごくいい仕事してると思います。
みなさん日記などで紹介してくれているので知っている方も多いでしょうが、このOne
Day企画が立ち上がる前に、もこさん企画の「三人鍋」という企画があったんです。
私はもうこれに心打ち抜かれすぎましてね、なんで参加しなかったのかと悔しくなるく
らいで三人鍋の話を一人で勝手に書いてたんです。それがこの話の原型になりました。
だから鍋なんです。すいません。
そして私にとってはずっと坂田が強敵であり、坂田を書きたいんですけど、坂田が何考
えてんのかが分からなさ過ぎて一人称にできないんですね。今回も土方が一人称で話が
進んで行きますが、書きたいのは一人称の人ではないんです。土方から見た坂田とか、
JOY組と坂本の関係とかその辺が書かれへんかなと思ってはじめたんですが、なんでか
ボリビアの話しかしてませんね。なんでかはもう私にも分からないです。